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SUS by SUSPEREAL

SUS by SUSPEREAL【後編】

現状や現実に容疑をかけ本質を追求する

T) SUSPEREAL(サスペリアル)から今現在のSUS(サス)にした理由ってあるんですか?

N)ちょうどアシスタントと話してた時に、サスペリアルではなく、イージーな感じで前にSUSってロゴで出してたんだけど、どうする?って言ってみたら、やってみましょうよ。なんていって。ボックスロゴも作ったりしてて。イージーなSUSというブランド前に出る事によってブランドがわかりやすくなるっていうか。サスペリアルでロックで綺麗目のカジュアルになっていったからSUSで一回戻したっていう。SUSのボックスロゴの意味はさぁ、ピラミッドの社会があって、上流階級がコントロールしていて。でもキューブだったら転がしていくっていう。上流階級と下流階級が転がっていくっていうね(笑)

SUS by SUSPEREAL

T)じゃあSUSPEREAL(サスペリアル)SUS(サス)は別ラインで動かしていく感じですか?

N)同じラインの中では違うセクションという感じかな。SUS by SUSPEREALだね。

T) 2005年当時のファッションシーンと今のファッションシーンの状況は違うと思うんですが、今後ファッションシーンってどうなっていって欲しいとかあります?

N)若い子達にベクトル向ける感じになるけど、やっぱりこう…デカイこう…大手!大手!っていうのは無くなって欲しいよね。もうちょっとこう面白おかしくしたいっていうか。会社が大きい企業ばかりになっちゃうとつまらなくなるというか。制限が出てくるというか。そこは無くしていきたいなって。若い子に託していきたいのはそこかなっていう。

T) どんどんファッション業界も価格破壊も起こってるますが、それについてはどう思いますか。

N)価格は俺はそれは関係ないと思う。価格は高くしていい。それなりに価値で見てるから。そういう社会になってるのをアゲインストして欲しいなって。だから、お金は価値であって。俺の知り合いだから、お前にこないだ1万円奢ってもらったから俺じゃあこの1万円で買うよ!とかそういう事もやって欲しいなって思う。それはファッションでは無いかもしれないけど。そこに価値があるから買うっていうか。お前だからTシャツ買うよ!っていうのが増えて欲しいなって。そしたら1万円買ってくれたから3枚Tシャツあげるよっていう。それが安く300円400円じゃなくて…とりあえず1万円渡せよ!Tシャツ4枚あげるから!そういう事だよね(笑)その方が価値があるから。ちょっと面白い表現かもしれないけど。

SUS by SUSPEREAL

T) 今は店舗より、ネット通販が主流になってますけど、寂しさとかありますか?(笑)

N)それはしょうがないよね。でも世田谷区、渋谷区の人間が通販するって言ったら、いやそれはお店に買いにこいよ!って多少なりともあるけど。ただそれは今の社会はしょうがないのかなってあるけど。まぁ一言コメントは欲しいよね(笑)今こういったアイテム好きだから。とかね。

T) 今は情報があるようで、深い情報は少ないですが、昔、雑誌が主流だったときのような、ひとつの雑誌を買うと色々な情報がキャッチできる環境が無い中でネットなどで情報を発信する際に気を使ってる事ってありますか?

N)そこまではないけど、ただシンプルにしたい。そして、ダサくしたくないかな。結果、SUS自体は海外の人が買いに来てくれるんだけど、それもなんか理由があるんだよね。たぶん発信するときに“カテゴライズしない”っていうことを大切にしているからかな。自分はストリートでやってきて、例えば、雑誌のSAMURAIマガジンがあって、WARPがあったりとか様々だけど、もし誰にもカテゴライズされない環境なら違う道があるよね?例えば、SUSなんてって、日本で批判もあったりとかした場合にハイファッションのお店に、海外でこれやろうよって言われたりとか。そこしか行かなかったりとか。人間って面白いなっていうのは感じるよね。期待してなかった事が起きるっていう。自分が売れるものを作ったけど、売れなかったりとか。人が欲しい物と、自分が欲しい物が違うとか。だから、枠にはまらない感覚は若い人達には持ってて欲しいかな。例えば、みんなが、ロスとかNY行くとか言ってる時に、いや俺はブルジア行くわ!とか南アフリカ行くわ!とかそういうのがあったほうがいいのかなって。だからみんな一緒にならないで欲しいな。基本的には友達同士、グループにかっちりはまらないで色んな人が友達になるっていう、ピュアリティで居て欲しい。東京に染まらないで欲しいし。ただ、海外の人達が集まってくる東京だから東京を発信していきたいって言うのはあるけど。ただみんな売れていけば鼻高くなっちゃうし、ぜんぜん違っていっちゃう。だから、変化していく中でも面白おかしくやってもらいたいなっていうのはあるよね。なんかお前と俺達は違うよみたいな。ただ、気を付けたいのは変化するときに俺はこういった会社でスポンサー出るからお前らとはつるめない!みたいになること。そういうの不要じゃない?(笑)みたいな(笑)だからといって彼らを否定する訳じゃなくて、彼らの言い分があって、ジャンルが違う人達を入れちゃうとパーティが乱れるっていう事もあるから。それもしょうがないのかなって。だからやってる側も買い手側もみんな勉強していくっていう。俺たち一緒に勉強していこうよ!って俺は言いたいかな。

T) まぁ色々とこことここは仲が悪いとかありますね。()

N)あるでしょ?(笑)それはさぁ、やっぱりこいつらといるとダサイCrewになっちゃうからとか、俺らはこっちだからとか。あるわけじゃん。それはしょうがないと思うけど。だけど、大きく見たら俺ら全員ダサいみたいな(笑)わかんないけどね(笑)

T) 今ってブランドがいっぱいあって、乱雑してるっていう表現がいいのかわからないですけど。いっぱいあるじゃないですか?昔のストリートブランドのイメージはブランドのオリジナリティな要素が強くて、そこでユーザーをキャッチしてたように見えたんですけど、今って流行に流されてる部分って凄いあると思うんですが。

N)逆に言ったら、ランウェイから流行する事もあるし、流行は人が作ったりもするし、世界的に流れる流行もあるし、そこのマスに入れておけば物が売れたりとか。それはそれで絶対にファッションには有る事だから、それが一概に悪い事だとは言えないけど。ただ全部必要なのかな?って。流行を作ってる事自体もファッションにとってはプラスだし、この色流行ってるとか、これ流行ってるからとかカルチャー無いけど流行ってるからファッション回ってる訳じゃん?そこでお金が回ってるし。ただ、サブカルチャーがある事で俺たちリアルだよ?っていうことも必要だし。それは相互関係で繋がってるかなって気はするけど。どっちも正しいんだと思う。でもそこに、ヒューマニティを入れて欲しい。やっぱり、買い手も、売り手もデザイナーも人間を出して欲しい。

T) 個人的にサブカルチャーと密接してるブランドが好きで、ブランドのバックボーンを紐解いてどんどん掘っていくのが楽しいんですけど、ユーザーから見えにくくなってしまってる所はありますよね?

N)まぁない…んー。でも俺、思うんだけど、ファッションとかって自由って部分もあるし、ファッションていうのはさぁ。パンクをやった事ないけど、パンクになろうファッション、ヒップホップを知らないけど、見た目ヒップホップっていう。ファッションってそういう事かなって。まぁさっき言ってた事ってパッションなわけで。パッションとファッションがリンクすればいいけど、ファッションというのは、例えばこういう服着ればモテるとか。パンクを知ってそうな服とか、LIVEをしてそうな服とか。そういう事かも知れない。でも二つ必要だから。

T) 欠けちゃいけない部分ですよね。両方とも。

N)そそそ。何が正しいかわからないけど。俺が言ってる事が正しいのかわからないけど。(笑)だからモノは逆方向からみたら面白いかなって。

T) なるほどなぁ。今日は楽しいですね。僕は雑誌でNormanさん見てた世代なんで()

N)若い世代がこれから作っていくし、励みになるし。(笑)こういうインタビューも励みになるし。今自分がわかる範囲でこうやって質問とか答えて、見てる人の視野が広がれば、いいなって。

T) ありがとうございます。たしかに視野を広げていくことは大切ですよね。とくに洋服って作り手の色じゃないですけど、その作り手の色がでるじゃないですか。

N)そうだね。それは色んな先輩達がやって来た事だからね。だけど、作品を観る側も視野を広げることって大切なんだよね。音楽もそうだけど1stアルバム出して、2nd出して3rd出して。『2ndは聴けるけど、3rdは聴けないよね?』みたいな(笑)そういったものはどうしてもあるけど、リスナーも3rdがこうなった理由はこれだからって理解をしていたら世の中よくなるっていうか。バンドもそうだけどさぁ。買い手もそう。最低の音楽出してるけど、こういうバックボーンがあるんだよねって理解してあげる。そうしたらゼロから作ってる人たちが生きやすい世の中ができるかなって。みんなが視野を広げて物事をみていったら上がっていくっていうか。

T) 確かに観る側にも理由を知った上で意見を言うって大切なことですね。

N)そそ。日本の良い所とイケナイ所っていうのは、飛び出た芽は潰すっていう。いや飛び出しておけよ!っていうね。そして、そういった人を見守る懐の深さ(笑)そういった空気を生み出すことが出来る奴をリスペクトしないと。例えばの話、ストリートでも当時あそこに行けば誰々さんに会えるかな?っていうワクワクがあって東京渋谷に人が集まるというか。当時俺も別に不良じゃなかったけど、バンドとか音楽好きなだけっていうのがあって、ワクワク感をみんな求めてた。可愛い子が集まる所にはそこにはムーヴメントは起きるわけだから。そういうのも一つ踏まえたら面白いかなって。今のストリートはそういうワクワク感を無くしてるっていうか…。ラクしようとしちゃうんだと思うんだよね。どこか上に立って頑張ってる奴は、女の子を呼んで頑張ってるじゃん。でもチマチマしてるやつはそれを仕切りたがる。女の子自分で呼べないもんだから、誰かを使って自分の箱に入れてやろうっていうね(笑)っていうことは酸素を生まない人間なんだよね。それがダメにしちゃうっていう(笑)そういう奴がルールを作り…(笑)でもさぁ酸素を生む奴はそれが重くなっちゃって、外に出るんだよ。それで違う事やるんだよ。残ったやつは最近あいつ何やってんだろ。みたいな(笑)面白い話なんだけど、あいつも俺らから消えてったけど、ダメ人間だよなーって、逆からみたらこっちがダメみたいな(笑)まぁ出ても何もできない奴も居るけど…とりあえず酸素を作らない人間はダメだから(笑)

SUS by SUSPEREAL

T) じゃあ最後なんですが、Normanさんの中でファッションとは何ですか?

N)自分の中でファッションって深いんだけど…ある意味、自分と出会えるきっかけを作ったコンテンツかなって。みんな自分を表現するとか言うけど。そこにヒューマニティがあったから、そこに人間があったから今もやれてるかなって。ファッション=ヒューマニティ 新しい人に出会ったり、傷ついて喧嘩したりとか、パッションじゃないけど。自分にとってのファッションってそういう感じかな。これからはまたわからないけどね。(笑)

T) 最後、凄く深かったです。今日はどうもありがとうございました。

N)ありがとうございました。

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