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GENERAL WORKS

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ヴィンテージを再現することに追及したTシャツ

T)生地とかはどんなこだわりがあるんですか?

M)形からこだわりがあるんですけど、うちのブランドのコアラインのTシャツは、基本的にはアメリカンヴィンテージなんですけど、ボディにも名前があるんですよ。「PHYS(ピーエイチワイエス)」ていう名称で、要は体操服。昔のヴィンテージの体操服を現代風にアレンジしたものなんです。生地もヘロッヘロにしてて。首裏のテープもオリジナルで作って。

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T)こういった生地はどうやって探すんですか?

M)そこそこ業界に居るんで、どこに生地があってこの業者はこういう生地が強いとか大体わかるんですよ。この生地に関しては即決まりでしたね。大体そこにあるだろうっていうのは有りましたね。こういったネップ感があるものっていうイメージ自体があったので明確でしたね。メインの“PHYS”は2色展開してて、そのうち一つは戦車の名前から取ったんですけどTIGER軍のアンダーウェアをイメージして伸びやすくて下着感があるフライス生地を全部オリジナルの色で染めてますね。本当に細かい所でいうと、襟のステッチを生地と同じ色にしてたら同化するので、あえて濃くして、わざと色落ちした感を演出してます。大体古着って糸の方が堅牢度(けんろうど)が強いんで色が落ちにくいんですよ。実際は生地から色落ちしていって、糸が濃くなるんですよ。それを始めから再現してます。裾裏も一般的に綿糸とか使ってるんですけど、ウーリー糸っていうモアモアってした立体感があって伸びやすい糸を使ってるんですよ。

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もう一つのボディが「HOLLY WOOD(ハリウッド)」っていうボディで、ハリウッドセレブが休日に着そうな落ち感を再現してます。袖もほかと比べてもちょっと短かめで。普通Tシャツって本当に形がTなんですよ。着て腕を下ろしたら肩の部分の袖山が浮いて余っちゃうじゃないですか。それがあんまり好きじゃないので、袖山を低くして、着ても肩があんまり浮かないようにしてるんですよ。そういう所はヴィンテージって言いながらヴィンテージではない所なんですけどね(笑)実際はTシャツって本当にTだからTシャツなんで。ただ、そこは着心地とか見た目のかっこよさは欲しいんで、その辺の調節はしてますね。細かい所で言うと、Tシャツは月日とともに斜行するので、サイドの縫い線の最後を真っすぐ置いても斜めなるように、わざとパターンで傾けてヴィンテージ感を始めから出してますね。

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T)メンズとレディースを展開してるんですか?

M)基本的にはメンズですね。でもレディースでも着れますね。特に「HOLLY WOOD」はレディースって言ってもおかしくないですね。

T)ほかにはどんな箇所にこだわっているんですか?

ネームもハンコで押してます。ネーム自体は同じなんですけど、型の名前だけ違うハンコですね。絶対ズレない、スタンプ台も自分で作って一枚一枚押してます(笑) B品をA品として作るっていうのもコンセプトですね(笑)だから一個だけみたらB品じゃない?っていうヴィンテージ、つまりは味(あじ)を具現化してブレずに作れるっていうこだわりですね。ハンコもネーム部分とわざと重なってるんですよね。ブレずに(笑)あと、細かい所でいうとネームタグの“GENERAL WORKS”のAの上のGの伸ばしてる線の所、わざと目飛びさせてるんですよ。昔の粗悪なネーム機械だったらたまに飛ぶのでわざとそうデザインしてます(笑)

T)味(あじ)を意識して最初から作るってかなり大変ですよね(笑)

M)それが一番やりたいことではありますよね(笑)気づかない人は全く気づかないです(笑)そんなのはどうでも良いって感じです(笑)自分さえよければいいっていうか(笑)なんかいいなって思われる物って作り手が勝手に作り込んで、別にその人に全部伝われなくてもいいんですよ。ただ、最終的にこれいいなって思わせるには細かいとこまで作りこまないとダメなんじゃないかなって僕は思いますね(笑)

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T)ジェネラルワークスのロゴになにか意味合いはあるんですか?

M)ロゴデザインに意味は全然ないです。ひたすらロゴ作って一番かっこいいやつ(笑)もう本当ね、見た目がイチバンなんです。見た目をどれだけよくするかっていうのがあるんで、意味合いをこめて作ったというよりか、ひたすら“GENERAL WORKS”って名前で色んなデザイン作って、最終これだ!アメリカのヴィンテージだったらこれだろっていう(笑)ジェネラルワークスの意味は響きなんですけど、一般の人の為のワークウェアっていう意味ですね。

T)パッケージもかなりこだわりありますよね。何かを元にしたんですか?

M)強いて言えば、ドミノピザとかあるじゃないですか(笑)あれ、結構かわいいじゃない。ちょうどTシャツが入る大きさだし。箱の横にDeliveryとTAKE OUTのチェック欄作ってて、ネットで販売するのか、店舗で置くのかっみたいなのも、そこで自由にできたり、プレゼントにもパッケージとして良いしっていうので決めたんですよ(笑)どんな形にしろパッケージは作りたかったので、突き詰めていったらピザ箱がいいなって。

T)今後もTシャツオンリーで展開していくんですか?

M)構想としては最終的には家具は作りたいんですけど(笑)アイテムブランドとして、色んなアイテムを付け足していきたかったんですよ。ただ、ちゃんと自分でこなせる物を付け足してトータルブランドにすると、今の時代だと展開するのは無理なんで、まずは「あのアイテムでは“GENERAL WORKS”だな」って言われるような物作りをした後に、次はデニムを1本2本作っていって最終的には家具好きなので、ヴィンテージ家具みたいなのを“GENERAL WORKS”でできたら面白いかなーって思ってますね。今アイテムだけで言うと、ヴィンテージを再現した缶バッジを作ってます。始めから、グラフィックに汚れを入れて再現して作ってます。

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T)ちなみにTシャツの生地は全て国産ですか?

M)縫製もプリントもすべて日本です。アメリカでは今のクオリティーの物は作れないんですよ。工賃も高いですし、アメリカは大雑把な国なんで、こだわったものは作れないんです。本当に良いものを追求して行くと、やっぱり日本で作るのが一番良くて。再現性ですよね、一番は。アメリカで風合いの良いものって作れなくて。アメリカはやっぱり基本的にゴツいんですよ。ヴィンテージってキツくしてクタクタになってるんで、ヘヴィーオンスで分厚いTシャツがザ・アメリカなんですよね。僕が好きなのはクタクタに着込んでテロンってなってる物なんで、それを再現するには、生地も製法も日本が一番すごいですね。

T)そんなヴィンテージの風合いを作ってくれてる職人さんに伝えるのって大変だったんじゃないですか?

M)いや、全然苦労してないです。相手任せで何かができるのは嫌なんですよ。職人さんは職人さんでいつもの仕事をすれば完成するような物作りを全部してます。だからネームタグの目飛びをわざとするのも、なんか味を出してと依頼するんではなくて、ここに線入れておけば目飛びしてるようにできるでしょっていう。Tシャツのプリントもそういう風合いをグラフィックにすべて落とし込んでるんです。ワッペンを剥がしたようなグラフィックだったり、生地の目状に色落ちしたようなグラフィックとかを。フロッキープリントが時間と共にヒビ割れしていってるのも自分で再現してます。ヴィンテージの見た目愛というか。ヴィジュアル重視ですね(笑)プリント手法にも一個一個名前があるですよ。「STAMP BOLT」「STENCIL SCATTER」「STRAIGHT GRAIN」「CRASH CRACK」「GLUE SCAR」こういった手法があって。

T)たしかに何回も着崩してるように見えます(笑)

M)そうでしょ(笑)洋服って展示会終わってシーズン終わったら、その服って死ぬんですよ。基本的には次に使えないんで。でも一生使える企画っていうのはあります。例えばこれが10年後に出て来ても本当のデッドストックとしては良いし、そういう普遍的な、一生色褪(あ)せないであろうラインをやって、続けられるような物をって、作っているときにも思ってましたね。

T)残していけるというのがキーなんですね。移り変わりが激しいファッション業界の中でファストファッションとかを見ていて何か思う事ってありますか?

M)まぁでもファストファッションはファッションじゃないですからね。基本的には。使い捨てでしょ要は。洋服としては認めないじゃないですかやっぱり。使い捨てであって、ファッションではないんじゃないとは思いますけどね。

T)今日は真謝さんのヴィンテージの見た目愛が聞けて凄い楽しかったです。ありがとうございました。

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