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MasiRlou(マザルー)

MasiRlou

不自由ありきの自由を謳歌する大人たちへ

Guest:ミスターマザルー

T.B)そこからMasiRlouを立ち上げたのはどんなきっかけだったんですか?

マザルー)自分が着たいと思う服が作りたいと前から思ってて、かつ最近欲しいと思うものがないなと、、、それこそ友達とか先輩の作ったバンドのTシャツとか凄いカッコイイのはあって、そういうのしか買わなかったんですよ。でもやっぱり、自分でも作りたいっていうのは前々からあって、結婚して子供生まれて、なんとなく落ち着いて来た時に、、、。MasiRlouのコンセプトはモッズ対ロッカーズじゃないですけど、そういの関係ないじゃん。面白いモン、カッケーモンはどんどんMIXさせて新しいものに変えて行こうよ。古き良き物を掘り返して、どんどん面白いものを残して行こうよ、伝えていこうよっていうのがMasiRlouのコンセプトで、漢字で書くと【混ざる】って(笑)MasiRlouのつづりに参考にしたのが、クエンティンタランティーノのパルプフィクションで使われたMisirlouミザルーって曲で“エジプト娘”っていう意味なんですよ。作曲者不明の昔の民謡だったのが、ハリウッドの映画を通してはじめて自分も知ったかっこいい曲です、、誰かが結構掘り下げてうまうことやって、発信して、、そしてそれを知った違う誰かが知り、またその誰かが掘り下げる、、自分も色んなネタをMasiRlouのフィルターを通して新しい物に変えて発信していきたいですね、、

T.B)温故知新っていう事ですね。

マザルー)まさにそれです。

T.B)MasiRlouはいつ立ち上げたんですか?

マザルー)2014年ですね。今はWEBと最近、いわき市に取り扱い店舗が出来ました。マイペースにやってますね。取り扱い店舗も元々アストアロボットで働いてた人がいわき市に帰って開いた店で、そこと繋げてくれた人が新宿のNAT RECORDSっていう老舗のパンクレコードショップの方で共通の知人の結婚式の時に、ブランドの事を話したら繋げてくれて。そういう経緯もあって、めでたく取り扱い第一号店がいわき市で(笑)自然な流れで応援してくれる先輩が居て、先輩同士が繋がって。縁を感じますよね。混ざるっすよ・・・。

T.B)MasiRlouのサイトをみた時にやっぱり目が行くのが、ウルトラセブンのアンヌ隊員ひし美ゆり子さんとのコラボはどういった経緯でやる事になったんですか?

マザルー)これは身内の協力で生まれたコラボなんです。MasiRlouで面白い事できないなかなって言ったら、ひし美さんにお願いしてみようか?って言っくれて、ひし美さんも二つ返事でOKが出て、『その代わりあなた、損はしないでね』って仰ってくれて、、、。そういった経緯を経て。デザインはBlondie(ブロンディ)のCall Me(コールミー)っていうNYの昔のパンクバンドのジャケットデザインをオマージュして、ひし美さんに変えて。ひし美さんの写真集の中からチョイスして。オフィシャルコラボです。

MasiRlou(マザルー)

T.B)素朴な質問なんですが、著作権とかは大丈夫なんですか?

マザルー)写真集の中にもカメラマン権利もあるんですけど、全部の写真を確認して。あれはOKだったんですよ。あれはなんと、、、Googleで画像検索しても出てこないレアショットなんで、、、だから結構マニアックなひし美さんファンには好評でした(笑)

T.B)じゃあ結構反響はよかったんですか?

マザルー)そうですね。媒体にも7月7日七夕の日に当日に取り上げて頂きました。

T.B)77日間限定販売だったんですよね?

マザルー)そうです(笑)全部セブン!セブンセブンセブン・・・(笑)

T.B)MasiRlouのデザインも自身でやられてるんですか?

マザルー)以前はティンカーベルをオマージュしたデザインとか作ったり、マスクのデザインもそうなんですけど、僕が言った事を具現化してくれる絵描きが居て、テツヤイザーっていう奴なんですけど。イラストレーターなんですよ。

T.B)じゃあテツヤイザーさんとタッグを組んで作ってらっしゃるんですか?

マザルー)テツヤイザーも自身の活動もしてて、だからガッツリ組んでっていう感じではなくて、依頼をしてって感じですね。テツヤイザーが絡んでくれたのはマスクとか、MasiRlouの1stとか犬のデザインで、、、不自由ありき自由っていう意味なんですけど、“FREEDOM THAT HAVE CRIPPLED”。不自由ありき自由…まさに俺の事なんですけど(笑)みんなそうだと思うんですよ(笑)だけど一歩間違えると、、、“WILL TEAR YOU APART”!

T.B)え、、、どういう意味ですか?

マザルー)貴方を引裂きますよ。

T.B)(笑)・・・攻撃的ですね(笑)

マザルー)これがこのTシャツのメッセージです(笑)上手くやれよっていう(笑)これの元ネタはイギリスのマンチェスターのパンクバンドSlaughter&The Dogs(スローター・アンド・ザ・ドッグス)のイベントフライヤーをオマージュして作ったんです。

MasiRlou(マザルー)“FREEDOM THAT HAVE CRIPPLED”
不自由ありき自由

MasiRlou(マザルー)“WILL TEAR YOU APART”
貴方を引裂きますよ

T.B)音楽が主軸でMasiRlouのプロダクトを作られてるんですね。音楽と共に生きてられているというか、昔に培ったカルチャーが自分の原動力になっている感じですね。

マザルー)そうですね。いつまでもピータパンな大人達へ。ってWEB STOERにも書いてあるんですけど、正にそれで、、、やっぱり一番感化されてた時の物っていうのは、いつでもその時代に帰れるよね?っていう気持ちは俺は持ってるし、、、いつでもタイムスリップできるんで、音楽とかよくあるじゃないですか、、、有線からかかってきた音楽であの頃を思い出すなって。

T.B)MasiRlouは音楽以外でこだわりとかあります?

マザルー)こだわりというか、良いものを見て認め合うじゃないけど、、、正にくだらない争いが多い世の中で、それって一部の権力者の利害関係から発生したものであって、本質的な人間を見ようよっていう。カルチャー、宗教に関しても、その宗教っていい思想あるよねとか、そういうのを認め合って共存協和っていうのがあると思うんですよね。良い部分はしっかり見ようよって。

T.B)良い物は良い。素直に見てくれよっていう感じですね。

マザルー)そんな感じっすかね。あんまり一丁前な事は言えないですけど(笑)

T.B)MasiRlouの今後の展望を教えてください。

マザルー)結論、、、Supreme(シュプリーム)を超えるっていう(笑)あそこも面白いもんで、カルチャーとミュージックをうまい感じで乗っけて、それでシュプリームフィルターで落とし込んでるっていうのを、調べれば調べるほどやってるんですよね。それを世界規模でやってるってところで凄ぇなって。尊敬もするし、そういう大衆向けの物もやってるけども、実際彼らのやりたい事ってインディペンデントな事で、、、理想ですね。ああいうものは。純粋にかっこいいなって。僕自身もコレクションブランドの畑じゃないんで、あくまでも自分の好きな音楽、カルチャーを落とし込んでるんで、、、共感してくれる人に手に取ってもらったり、気になってもらったりとか。まずそういう所が大事かなっていう。買う買わないは別として、こいつ面白い事やってるなって。そう思ってもらえるだけでも、凄ぇやってる意味があるのかなっていう。やっぱ、なんやかんやちゃんと信念持って自由に上手い事やってるっていうのが一番かっこいいかなって。

T.B)ラフな感じもいいですよね(笑)今日はありがとうございます。

マザルー)ありがとうございます、、、このままもう一軒行きましょうか(笑)

――最後にビールを飲み干したミスターマザルーの顔は子供の様な笑顔だった。雑居ビルの店内の雑音の中、焼き鳥を頬張り、酒で流し込む。不自由ありきの自由を謳歌しないと生まれない時間や感覚。その醍醐味を改めて実感した夜だった・・・。

MasiRlou(マザルー)
『MasiRlou』
http://masirlou.net/

Photographer:

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