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chojimurata

村田ちょうじ

良いものは良いと本質を見極めることが出来るか

Guest:Cho-g Murata

れからのDJに少しでも夢を与えたい

T.B)これからどういった展開をして行くんですか?

村田)DJが主役になれるものっていう事でDJに特化したマガジンをやり始めました。

T.B)マガジンはいつからですか?

村田)マガジンをやり始めたのは一年半前ですね。マガジンは全部会社の全投資で。まぁ社員全員反対しましたけど(笑)

T.B)そこでも揉めたんですね(笑)

村田)「社長、何したいんすか?」って(笑)「なんで今の世の中で紙なんですか?WEBでいいじゃないですか。WEBでこの投資額突っ込んだら結構良いものできますよ」って。でもそんなのみんなやってるし。でもやっぱ、、、情報として、何が本当に良いものなのかっていうのがよくわからない、飽和状態。っていうのと、自分たちがやって来た事を残してたいなって。WEBだったら残らないじゃないですか。紙って物として残るものなんで・・・。実家とかに行っても掃除してたらBLAST(ブラスト)とか出てくるじゃないですか!?汚ぇ状態で(笑)なんかそういう物に、時代が一周して、、、やっぱかっこいい事したいなって思ったらみんなが出来ない事。俺たちが出来て夢があるっていうので”過ぎ去る情報ではなく、手元に残るストーリー“をコンセプトにマガジンを始めて。

sgdmgzn

T.B)マガジンはDJの為っていう想いが強いんですね。

村田)そうですね。『sgdmgzn』のsgdはSuper Good DJsの頭文字を取ってます。シンガポールドルの略じゃないんで気をつけてください(笑)

T.B)取材も全部村田さんがされてるんですか?

村田)取材は島田っていう奴がいて、カメラマンくらいですね、外注してるのは。あとはうちが全部作ってますね。

T.B)マガジンはマンスリーで発行ですか?

村田)季刊誌なので年に4回ですね。

T.B)このマガジンを通して、どういったメッセージを伝えたいですか?

村田)夢を与えたいですね。DJに。だから、結構深い話をして載せてるんですよ(笑)俺らの独自目線で。言ってみたら、、、ラスベガスのDJっていくら儲かるの?みたいな。結構そういう所、みんな聞きたいじゃないですか(笑)めっちゃ突っ込んでますよ。あとどんな家住んでるの?じゃないですけど、今後どうするの?とか。でもインタビューって言うより、DJのライフスタイルを紹介する感じですね。あと、裏方の人達。例えば、、、DJ JAZZY JEFF(ジャジージェフ)周りだったら、JAZZY JEFFのカメラマンにインタビューしたりとか。結構裏方も多いですね。こないだのRed Bull Thre3Style(レッドブルスリースタイル)の大会だったら専属のカメラマンとか映像クリエイターとか。あと、Serato DJ(セラト)の社長とか。そういうDJだけじゃなく、DJに関わる他の所もインタビューしてますね。この頃で言うと、DJがもっとお金を稼ぎたいっていうと、プロデューサーを目指すじゃないですか。でも、例えば、トラックを作りますと。でもこのトラックでどういう風に自分をアピールして行ったらいいかわからないじゃないですか?だからそういう特集を組んで行こうかなっていうのはありますね。

T.B)その裏側を知れるってワクワクしますね。その特集楽しみです(笑)アパレルの『GENRE BNDR.(ジャンルベンダー)』 はこのマガジンを始めてすぐくらいですか?

村田)2015年の3月くらいから本気で始めましたね。

–話しはマガジンからアパレルの話題へ…ブラックコーヒーが出され一口飲み、興奮する気持ちに一呼吸入れた僕は、これから今の村田さんが、アパレルをやっている上でのアイデンティティの部分に触れて行く・・・。

genrebndr

T.B)『GENRE BNDR.』のコンセプトとブランド名の由来を教えてください。

村田)実は『GENRE BNDR.』のタグもsgdっていうSuper Good DJsっていうカルチャーからできたブランドなんです。ブランド名のキーになったのはアメリカで、DJ VICE(DJヴァイス)って奴がいるんですけど、まぁプロデューサーDJではなくて、一般にCLUB DJって言われる中で、アメリカで一番金を稼ぐDJなんですけど。一晩で大体ギャラが100万以上で。そのDJ VICEが俺たちのインタビューの時に、、、「オープンフォーマットって今誰もが言うけど、オープンフォーマットって何を掛けてもオープンフォーマットなのか?オープンフォーマットって言葉のみんなの解釈が段々違ってきている。オープンフォーマットって中でHIPHOP掛けて、アニソン掛けて、他の曲掛けてもそれもオープンフォーマットなのか。それよりも新しい言い方をしたい」と。その時DJ VICEが“Genre Bending(ジャンルベンディング)”って事を言い始めたんですね。“Bending”っていうのは曲げるっていう意味なんですけど、自分がいいと思ったジャンルを柔軟に曲げて取り入れて行く。それは、俺たちの目指すところに合ってて、そのカルチャーを広めて行こうって決めて。で、「良い物は良い。自分で本質を見極める事。その先に見えるのはDJにとどまらず、広がって行くジャンルベンディングというカルチャー。それを体現する者 ジャンルベンダー」をコンセプトにかかげて始まって。だから、今はDJのカルチャーが始まりだけど、実は『GENRE BNDR.』のデザイナーはMaya OnodaっていうHIPHOPとは真逆くらいの事をやってる現代アーティストなんですよ。

–オフィスに居たMayaさんを呼んで僕に紹介をしてくれた・・・

GENRE BNDRデザイナー Maya Onoda以下 Maya)個展とかするアートの世界にいます。インスタレーションアートっていうアートをやってます。

村田)そう、だから全然畑の違う人が、マガジンの方でもアートディレクションとかをしてくれるので、俺はすげぇ面白い物を作れてるって思ってます。

Maya)『GENRE BNDR.』のロゴも手書きで墨で書いたロゴ。フォントとか色々沢山あるんですけど、見ててもピンとこなくて、、、う~ん、無いんだったら、作っちゃえばいいんじゃないかなって。

村田)『GENRE BNDR.』のコンセプトに1つのカルチャーとして、認知されて広がっていく様に、シンプルなロゴだけで展開したいなって思ってて。で、良いロゴを作ろうと思って、最初はデザイナーが1万人いるコンペみたいなものがあるんですけど、そこにお金払ってこういう物を作りたいって出したら、いわゆるHIPHOP!リアルHIPHOP!テイストなのが来て。まあ、コンセプトにDJって入れてしまったのもあるんだけど、、、それで、全然違うなー全然違うなって俺が一ヶ月くらい悩んでる時にMayaに「何がしたいの?」って言われて、オリジナルの物を作りたいって言って、、、そしたら「そんなの書けば良いんだよ!」って言ってサササ~サッって書いてくれて(笑)、、、これこれ!これ超かっこいいじゃん!って。で、コンペに参加してもらって(笑)それで、採用したんですけど(笑) 自分たちの周りで仕事してる仲間も、HIPHOPだったらHIPHOPが固まるけど、畑の違う人を混ぜることで新しいものが生まれる。やっぱり思いつかない面白い要素が入ったものを作ってくれるし。

Maya)そこもジャンルベンディングなんじゃないかな。カメラマンやってくれてる人も全然違うしね。その人もイギリスに居てアート勉強してっていう、普通に生活をしてたらCLUB DJには出会わない様な人が、DJがバーッと居る中に混じってるのが一風変わって面白くて、、、そこもジャンルベンディングしていけばいいかなっていう。ジャンルは別に打ち壊す必要は無いけど、曲げて緩やかに繋がって良い物は良いっていう風になっていけばね。今はDJをコアにしてスタートしてるけど、それが色んな所に浸透していって、面白い人達が面白い物を作って集まったら、もうそれはいいクリエーションになるから、「これはこうあるべき」とか一つの雛形にこだわるんじゃなくて、融合して良いものがドンドン出来ていければなぁってところで。その辺もジャンルベンディングして洋服やマガジンを通して、そのカルチャーを発信していきたいって思いますね。

村田)で、まあ多分、、、自分が全てプロデュースでマガジンとか作るとしたら、カメラマンとかもHIPHOP関連の仕事している人とかにお願いしちゃうと思うんですよ。でもそういうときにMayaが「もっとこういう風に面白くするにはこういう畑の違う人が居るから」っていう俺の無いコネクションを彼女が持ってるんで。しかもアーティストとして、彼女もずっとアメリカでキャリア積んでて、LA7年、NY7年ずっと居て、NYのギャラリーと契約してやってたんで。だから周りの人が面白いんですよね。

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T.B)今後『sgdmgzn』と『GENRE BNDR.』はどういった展開をしていく予定ですか?

村田)アパレルの方は、『GENRE BNDR.』のロゴが一つのカルチャーとして浸透していくように展開していきたいですね。将来的に世界各国にショップ作って、その中にDJスクールがあって、一人でも多くのDJが働ける場所にしたいかな。『sgdmgzn』はDJで生計をたてたい人がDJで生きていける道しるべみたいなマガジンになったら嬉しいですね。言い方は悪いかもしれないですけど、どうしてもアメリカの考えに持ってかれるじゃないですか。考え方が「アメリカの連中がこう、だからこう。」っていう。でも、そうじゃなくて「今後は自分たちでちゃんと良い物は見極めよう」っていう自分たちの目線で発信していきたいですね。それで、付いて来てくれる仲間がいるんであれば、みんなと一緒に自分たちがおもろいと思うカルチャーを作って、人生を楽しく生きたいなっていうのはありますね。

T.B)DJに可能性を与えて行きたいと。

村田)そうですね。なんで、マガジンでモデルとしてDJいっぱい使ってますし。でも、後々はDJ以外の人達にも着てもらいたいですね。面白いクリエイターの人達にね。

–DJで人生を変えられ、DJというフィルターを通して、人、コンテンツをジャンルベンディングして繋げていく。良い物は良いと本質を見抜く感覚とそこへの情熱。日本のDJのカルチャーをどうして行くかを見据えて突き進む村田さんの話を聞いて、僕はしばらく興奮が冷める事はなかった。GENRE BNDR.とはまさしく、村田さんの事なのかもしれない。

『GENRE BNDR.』
http://sgdstore.com/

『DJcity Japan』
http://www.djcity.com/

Photographer:

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