COLLECTION

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Laundry Room.

見方を変えればどんどん広がる世界

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TOKYO BASE 以下 T.B)ここのBARはよく来られるんですか…?(笑)

Laundry Room. 穂満氏 以下 穂満)そうですね。この沿線沿いに住んでいるので、仕事帰りに週3,4ぐらいで通ってます。普段インタビューなんて受ける機会無いので(笑)気持ち的にホームの方が落ち着くかなって(笑)

T.B)そうですよね(笑)じゃあさっそく、、、穂満さんがLaundry Room.を立ち上げたのはいつ頃ですか?

穂満)去年の7月からなので、まだ1年も経っていませんね。

T.B)どんなきっかけがあったんでしょうか?

穂満)3年前の7月に現在のOEMの会社に転職をして、仕事上いろいろなブランド様に提案をする機会があるんですけど、僕個人が良いと感じたものを提案しても、どこのお客様にも全く響かないって事があったんです。お客様によってデザインに色、テイストも違うので、そこを考えずに提案をしてたので当たり前なのですが。(笑)それでも自分の中では、自分だったらこうするなとか、こうしたいなとか、もっとこういうモノ作りたいなって想いがあったので、どうしたら一番いいんだろって考えたときに、自分のブランド作っちゃった方が早いなって思って。

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T.B)『Laundry Room.』のコンセプトなんですか?

穂満)『Laundry Room.』って直訳すると《洗濯室》なんですけど、洗濯室って洗濯機が置いてあって、干す所も設備されてて、最終的に仕舞う所もあったりして、一つの空間で全部済ませる事が出来る合理的な空間だなって感じたんです。そこから、僕が作るデザインTシャツも、一回着て飽きたからもういいや!ってなるんじゃなくて、一回着て洗って仕舞うんだけど、出してまた着るみたいな。それの繰り返し。その日常的な一連の流れの中で取り入れてくれるようなブランドにしたいなって思って。

T.B)面白い発想ですね。

穂満)上手く表現できる良い言葉はないかなって思った時に、Laundry Roomって一つの空間ですべて済まされるんだっていうのを知ってから、じゃあもうこれだなって決めました。
ちょっと言葉で上手く説明しにくいんで、見せてもいいですか?(笑)

–照れ笑いをしながらバックの中からファイリングされたデザイン資料を取り出し、今まで穂満さんが描いた手書きのデザインを見せてくれた・・・。

T.B)一個一個デザインにストーリーがあるんですね。

穂満)そうです(笑)作り手側って色んな意味を考えてると思うんですよ。ただ作ったモノが店頭に並ぶ時に、デザインの生まれた経緯を説明書きをしたりとか、そういうのを直接話す機会って無いじゃないですか。それって十人十色で受け取ってもらっていいってことだとは思うんですけど。僕の場合は、なんでこれを作ったのか、なんでこういうデザインにしたかったのかを知って欲しいので、いつ誰に見てもらっても分かるように、こういうストーリーで作ってますっていう説明書きを入れるようにしてます。それを読んだ上で、捉え方は自由でいいって思ってるんです。必ずちょっと突っ込みを入れたくなるような文章にしてはいるんですけど。(笑)

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T.B)突っ込み入れたくなりますね(笑)

穂満)こういう自分で何かしたっていう想いを形にした結果がこれなので、意味までしっかり受け取ってもらいたいなって。

T.B)じゃあ日常的に絵は描いてるんですか?

穂満)元々描くのは凄い好き。ただ正直あんまり得意ではなくて。どっちかっていうと、模写。見ながら書くっていうのはずっと小さい頃からやってたのでそれは得意なんですけど。自分が思い浮かべてるデザインを絵に描くっていうのはあんまり、、、得意ではないんですよ。でも自分の頭の中にあるデザインとか考えとかを出したいっていうのが一番なので、まぁ上手い下手じゃないなって。思いついた時にこれいいなってアイディアが浮かんだときは、ちょこちょこメモを取ったり実際に描き起こしてみたりしてます。それが形になるか、ならないかは別として日常的にやってます。

T.B)このデザインとストーリーはどちらが先に思い浮かぶんですか?

穂満)デザインです。

T.B)デザインにどんどんストーリーを付けていくんですね。

穂満)そうですね。例えば1番初めに出したTシャツではスニーカーをデザインしてるんですけど。似たようなデザインって結構あると思うんです。でも、これ僕の足なんですよ(笑)写真をイラスト化していったんです。なんでこれにしたかって言うと、靴下がズレ下がった時に気になって直すじゃないですか。その「気になる」をテーマにしてます。「気になる」というキーワードを広げたときに人によっては、ティッシュ配りのお兄さんが凄いイケメンだったから振り返って見ちゃったよとか、通りすがりの女性がおっぱい大きいから二度見しちゃったよとか(笑)一つのキーワードが見方を変えることによって、どんどん話を広げていける一つのネタになる。それが凄い面白いなって思って。そうやってデザインをする時はキーワードから描き起こし、ストーリーを後付けしてます。目の前のお酒も、これだけ見たらただのお酒で終わっちゃうんですけど。なんでこの名前になったのか、とか。なんでこの瓶の形なのかとか。なんかそこまで色々考えていくと、きっと正解はあるだろうけど。自分の中で、こう色々考えるのって面白いなって。

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T.B)そのモノに対して、自分の見解でストーリーを展開していくって言う事ですね。

穂満)そうですね。同じものを見ていても、それを見ている人によって捉え方が違う、、、なんか、面白いなって凄い感じてて。

T.B)自分の見解から始まるストーリーが面白いですね。今後のLaundry Room.の展開はどう考えてますか?

穂満)今後も同じ様に「気になる」をテーマに、オリジナルティのあるストーリーを付けてやっていきます。ただ今は利益無関係で【まず知ってもらう。】をベースにやっていますが、今後はクオリティ面でもワンランク上を目指し、デザインにも統一性をもたせてしっかりとブランディングをして行きたいと思います。

デザインを描き、ストーリーが浮かび上がる。視覚から取り入れた風景や物を自分の思考回路を通りストーリーを作り出す。【?】から始まる、人とは違う観点で発信をする穂満さんの生み出すLaundry Room.。物事の見る視点を変えて創作し、ファッションを自分なり遊ぶ穂満さんを僕はとても素敵に思えた・・・。

『Laundry Room.』
https://laundryroom.stores.jp/

Photographer:Reika Figuigui

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