PERSON

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TOHYO CYPHER

理解していなくても行動することの大切さを訴える

T.B)アーティストのお二人はTOHYOサイファーにどういった思いで、参加してみようと決断されたんですか?

390)TOHYOサイファーのイベント趣旨みたいなものに共感したからですね。僕は、前半の話しにでてきた様に、HIPHOPは反体制だとか、レベルミュージックの側面があるっていうのはわかる。だけど、東京都のイベントに出るのはHIPHOPじゃないとは1ミリも思わない。それこそNHKも出るし、コマーシャルもやる。大事なことは言いたいと思った事を言うか言わないか。言いたいと思ったら言う。それが反体制でも遠慮せずに言う。だから東京都のイベントに呼ばれたからとか、側(がわ)だけで何かを判断する事は無くて。それこそ、NHKに呼ばれて、NHKだから出ないよ!じゃなくて、番組内容が、自分が出てフィットしないなとか、メッセージが合わないと思ったら断るし。だから今回のやつも東京都からのオファーですって言われても、そこの時点で何かを決めることはしない。それで今回「投票が18歳からになります、18歳からっていうのを皆に知ってもらいたいんです、且つ皆が選挙に行く様にしたいんです」って聞いて、僕はその方が良いと段々年齢を重ねるごとに思っていたし、そのメッセージに乗れるからじゃあやろうっていう判断。HIPHOPはレベルミュージックな部分もあるけど、パーティーミュージックでもあるし。そこだけじゃないんだよね。勿論すげー大事な要素だけど。反体制だ!っていう一面だけで他の事を判断するって単純に思考停止でしかないから。大事なのは自分達が何を言いたいか。だから今回出てたアーティストは、そんなに東京都だから出てる、東京都だから出ないっていう意識でいる人はあんまりいなかったと思う。ネットの論調とか見たんですけど、「HIPHOPが飼いならされた!!!」って書いてたけど、だったら俺ら企業コマーシャル出れなくない?みたいな(笑)「リアルじゃねー!!!」とかそんな意見もあったけど、そんな事ないから(笑)やっぱり内容で(笑)側(がわ)だけで決めないし、もっとみんなそれぞれ考えてるし。

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T.B)自分の言葉をちゃんと発する場所があればそこには出て行くみたいな。

390)それもあるし、今回の企画は、新宿駅前で入場フリーになってて、自分のライブをしっかりしてもらいますって言われたんで、めっちゃ面白そうじゃないか!って普通に思ったんで、めっちゃポジティブに、ネガティブな部分はなかったですね。

サルバドール)俺は嬉しかったという想いが強くて、、、中学1年くらいから好きで、中学校3年の終わりくらいからラップをやってて、色んな高校生ラップ選手権とか、フリースタイルダンジョンとか、トントン拍子で名前が売れてきちゃった感があって。そんな中で、自分とかが色んなアーティストさんの中に入れる事が嬉しかったし、サイファーとかもみなさんと同じとこに立てたのが、マジ東京都Bigupだわ~みたいな。(笑)

―― ( 一同笑う )

サルバドール)それでライブもなんか、前列の人達もリリックを口ずさんでくれてて凄い嬉しかったし、あんまり自分の同世代とかで、あの規模の所でライブできるなんて、あまり無い事なんで、本当に良かったです。

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T.B)そうですよね、、、凄い空間でしたよね。最後にお伺いしたいんですけど、”投票する”っていう事に対して、どういった考えをお持ちですか?

肥後)日本は民主主義なんで、どんな首相だろうが、どんな政治家さんだろうが、結果的に全員を僕たちが選んでるんですよね。選挙っていうのは誰しもが何かを変えるために持てる権利じゃないですか。他の国では自分たちでは選ぶ事が出来ない為にその権利を勝ち取る為に戦争が起こったりするようなもので、その権利を自ら放棄するっていうのはどうなのかなって。単純に行くか行かないかで言ったら行ったほうがいいと個人的には思っています。

吉田)今回のキャンペーンコンセプトである“動いてから、考える”のように、投票した後は必ず結果が出る訳で、社会全体に対してだけではなく、投票した・行動した自分自身に対しても深く考えるきっかけにつながると思います。社会を動かすだけではなく、自分自身を見つめなおし、変化につながるとても重要な権利だと思います。

サルバドール)さっきの現代文の論文のくだりで、授業の中で選挙について興味有るか聞かれたとき、実際みんな興味があって、8割9割手が挙がってて、、、ただ行くか行かないかって話しになったときに、う~ん、、、ってなってたんですけど、なんか自分が今回出た事によって、難しい部分だけど同世代で、少しでも行く事に貢献出来てればいいなって。

390)僕は、若い人ほど行った方がいいと思ってます。今、選挙っておじぃちゃんおばぁちゃんが行ってて、おじぃちゃんおばぁちゃんが決めてて、政治家もおじぃちゃんおばぁちゃんで。俺らはこれから人生40年50年生きなきゃいけないのに、あと20年くらいの人達がほとんど決めてるっていう現状って単純に損だと思う。もっと僕らが行かないと自分達で首を絞めることだから。でも、やっぱり難しい事だとも感じてて、例えば自分が18歳だったら、選挙行きましょうよって言われてもどこに入れていいかわからないよって。だけど、そんな中でも行ってみないと、一生興味が出ないというか、わかる様になってから行こうって思ってると一生わからないと思う。参加してみた事によってニュースを見るだろうし、結果を見ても自分が参加してることだって認識しないと勉強にもならないし、次のステップにならないと思ってて。だからわかんないから行かないよじゃなくて、行っておけば数年後から考えだすかも知れないし、そのタイミングも早くなるから、わからなくても行ったらいいんじゃないかな。

サルバドール)今回のTOHYOサイファーがあってから、地元で“選挙に行こう”っていうフライヤーを受け取って、、、本当に終わって1週間後だったんだけど、あのイベントが無かったら受け取ってなかったなって。だから良かったなって(笑)

一同)それは凄い!!!(一同笑う)

390)絶対受け取らないよね(笑)サルバドールが受け取るなんて(笑)

肥後)これは事件ですよ!!(笑)サルバドールが選挙に行こう!というフライヤーを受け取るっていう!(笑)

サルバドール)(笑)だからよかったっす・・・(笑)

T.B)(笑)今日は本当に普段聞けない話しを聞かせていただきありがとうございました。

”ペンは剣よりも強し”言論の力は武力よりも大きい力を持ち、人をも動かし、また時代を動かす。言葉と言葉を繋ぎ、自分の思想を発信するラップと変化を求める国が一緒になり、発信したメッセージは少なかれ、あの日のTOHYOサイファーに来ていたヘッズ達に届いていたに違いない。

TOHYO都
http://tohyo.to/pc/

Photographer:Yuya Mochizuki

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