COLLECTION

ACUOD by CHANU

ACUOD by CHANU

”繋ぐ”そして”開く”

Guest:Chanu & Takuya Shimo

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東京基地 以下T.B)チャヌさんが最初にファッションに興味を持ったのはどんなきっかけがあったんですか?

チャヌ)僕は小学生の頃からブレイクダンスのプロを目指して、本気でやってて、ダンスの世界に入ると共にHIPHOPファッションに興味を持ち始めたのがきっかけでした。

T.B)それは小学校何年生だったんですか?

チャヌ)5年生です。

T.B)その当時はどんな格好してたんですか?

チャヌ)その時はストリートファッションですね。Supreme(シュプリーム)とか高い物じゃなくて、手に入れられる物を(笑)だから、今回のランウェイにも僕のファッションの原点となるダンスを入れて、ストリートからモードの世界へ進出するまでの流れを表現したかったんです。

T.B)じゃあ、チャヌさんの今までの人生を表したのが今回の東京コレクションのショーだったんですね!ダンスは、小学校5年生からいつまでやっていたんですか?

チャヌ)中学校3年生までです。

下尾卓也 以下 下尾)本気でプロを目指してやっていたんだけど、肩を壊しちゃって、プロを諦めたんだよね。

T.B)中学校3年生からダンスを諦めて、のめり込んだ事って他に何かあったんですか?

チャヌ)まったく関係無いけど、総合格闘技を三年間やってて(笑)高校1年生から。韓国は部活動とかないから、ジムに通って強くなるのが好きだったっていう(笑)

下尾)ブレイクダンスも筋肉系ですからね(笑)

T.B)そこから日本に来たのは何歳くらいの時に来られたんですか?

下尾)5年前だから、、、23歳?

チャヌ)高校卒業して、兵役を終わらせて。義務的な物は全部終わらせたし、これから自分が好きにやれる事は何か?って悩んでたんですけど、結局わからなかったんですね。だからとりあえず、日本に来ようと。わからないから。

T.B)じゃあ日本に来た時は洋服を作るなんて考えてなかったんですか?

チャヌ)日本に行ってみよう!わからないから。って(笑)洋服は小学校の時からずーっと好きで。韓国でファッションのTV番組をずっと見てて。「面白いなー楽しいなー」って見てたんですよ。

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T.B)じゃあ、その時はファッションに対してファンっていう感覚だったんですね。日本に来たときは東京に来たんですか?

チャヌ)山梨。

下尾)日本語学校があったんだよね。

チャヌ)そう。小学生から踊ってて、格闘技やってて、、、勉強できなかったんですよ(笑)学校もちゃんと通ってなかったんですよ。でも海外まで行って遊ぶ訳にはいかないので、ちゃんと勉強してみようって。東京は誘惑する物が沢山あるから、田舎に行って、日本語の勉強に集中してみようって。韓国でも田舎生まれ田舎育ちだったんで。

下尾)一年目で日本語検定1級を取ったんだっけ?

チャヌ)うん。普通は二年かかるみたいだけど、勉強が楽しかった事もあって、飛び級を二回やってました(笑)

T.B)その日本語学校を卒業してすぐに東京に来られたんですか?

チャヌ)これから本当に何をしようって思った時に、母からメッセージが来て、「君が幼い頃からずっと好きだったファッションの事を勉強したらどう?」って書かれてて、読んだ瞬間、稲光に当たった様な衝撃があって。「まさにこれなのに、なんで今まで考えなかったんだろう」って思って(笑)それで東京モード学園に行こうと決めました。

T.B)答えは近くにあったんですね(笑)東京モード学園では何科に入ったんですか?

チャヌ)ファッションデザイン学科ですね。4年コースなんですけど、入ってからの1年、2年の時は学校、課題、学校、課題・・・って。休み時間も、全然休まず、フル稼働(笑)

T.B)没頭していたんですね。

チャヌ)そうそう!昔、格闘技やっていた時のトレーナーさんに毎日言われたのが「上手い人程、基礎がしっかりしている」って毎日毎日言われたし、それは確かだったし。日本語学校通ってた時も、初級クラスの時は一番頑張ってたし、ファッションも同じだと思ってたので、お腹すいても関係ない「俺はやる!!!」って、休み時間も水だけ飲んで製作していました(笑)。

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下尾)学校の課題の提出とかもあるんですけど、ほぼ金賞とかで、ことごとく賞を取ってたので、もの凄く集中してやってたんだと思います。

チャヌ)その学内賞に提出するのは一着だけでもいいんですけど、僕は五着とか提出してました。作るのが楽しくて楽しくて(笑)基礎が大事だから、まず決められたやり方をやってから、自分がやりたい様にアレンジして作ったりとか。アレンジしたのを作りたいからこそ、まず基礎をやってました。

T.B)モード学園に入ったときはファッションの事はゼロからスタートだった訳ですよね?一番苦労した事はありますか?

チャヌ)それがないんですよね・・・日本語で困った事も無くて・・・むしろ、日本人の友達が僕に質問してきたりとか(笑)絵とかも元々下手ではなかったので苦労してない。縫製もミシンも学校に入ってから初めて触ってみたんですけど、そんなに苦労していない。今も思うんですけど、縫製の上手さって、人の性格だと思ってるんで。汚い縫い目が納得いかない、細かい所まで気にしてる子達が上手いです。(笑)どこまでも美しくキレイになるように、納得できなかったら解いてやり直すような子達ですね。僕も格闘技やってて、メンタルと体力は誰よりもあったから何度も何度も(笑)

下尾)風邪とかも引かないもんね(笑)

チャヌ)風邪引かない(笑)

T.B)生まれ持ったセンスっていうのもあったって事ですよね。

下尾)あったと思います。本人は言いづらいと思いますけど。

チャヌ)(笑)

Photographer:Yuya Mochizuki

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