PERSON

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TOHYO CYPHER

理解していなくても行動することの大切さを訴える

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TOKYO BASE以下 T.B)何故、18歳以上の選挙権施行とHIPHOPを結びつけたんでしょうか?

東急エージェンシー吉田 以下 吉田)大元の話しをすると、同世代の女優さんや人気のキャラクターなどを使って、今回の法改正の意義や政治・選挙に関しての説明を一方的に伝える様々な啓発活動が行われていた状況に対して、実際の18歳の若者達・新有権者には届いていないのではという疑問が個人的にあり。そこを踏まえて東京都として新しく発信していく時にどういったものがいいのかな?と思索している中でヒントにしたのが、アメリカの選挙。みんなで集まってとにかく盛り上がる、まるでお祭りのような空気感は若者を動かす上で絶対必要だなと。そこで理解してもらう事ではなく”選挙に行ってみた”というのをゴールに設定していこうという考えが発端としてありました。ただ、無意識に動いてしまう熱量っていうのを、どう広告やプロモーションで作っていくのか?ってなった時に、様々なコンテンツが溢れかえっている中で、ただ単純に若者目線で面白いものをつくるだけでは、反応されずにスルーされてしまうという課題があったので、企画段階の時にいかに引っかかりを作れるかを重点に考えて進めていきました。

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T.B)興味付けですね?

吉田)そうですね。選挙もですけど、東京都とHIPHOPって全く結びつきませんよね。でも、この時点でなんでだろう?っていう”ハテナ”だけど、気になる“ひっかかり”は作れるかなって思って。考えた結果ではなく、無意識に動いてしまう強烈な熱量を生む為には、もの凄い違和感みたいなものがないといけないよねってとこで、今一番カルチャーとしてホットで、東京都とからめて違和感があるのはHIPHOPだよねってところから動き出したっていう経緯があったんです。

T.B)レベルミュージックとしてのHIPHOPと真逆の東京都という政府が一緒に何かをやるって事は凄いなって思うんですけど、裏では苦労した事はありましたか?

吉田)それでいうと、KEN THE 390(ケンザサンキューマル)さんと、SALVADOR(サルバドール)さんが出演されている”フリースタイルダンジョン”がやっぱり追い風になったというか、やっぱり民放でああいうのを流してるっていうのが、反体制といったバックボーンがあるにしても、世の中とか若者を動かすにしたら絶対に無視は出来ないよねって考えていたのですが、東京都さんの中にもフリースタイルダンジョンを知っている方もいらっしゃり、意外とスムーズに理解を得られて。そうこうして企画の大枠がまとまり、いざ進めていくぞという中で、肥後さんにも入ってもらって、TV番組で盛り上がっている背景や文脈だけではなく、HIPHOPで世の中を動かす・ざわつかせる為にはこういう視点で考える事が必要だよね、こういう内容にしたほうがいいよねってことで、東京都にもHIPHOPのカルチャーを理解してもらう流れで、イベントとしてはなんとか良い形にできたのかなって思います。

T.B)じゃあ吉田さんと肥後さんでアーティストはキャスティングされたんですか?

東急エージェンシー肥後 以下 肥後)実を言うと、企画を通して、通り終わるまで僕は内容をほとんど聞いてなくて(笑)企画の入り口の時に電話があって「肥後ちゃんHIPHOP詳しいから、もしかしたらキャスティングお願いするかもしれない」「あっいいですよ。相手はどこなんですか?」「東京都」って、、、あっ絶対決まらないって思って(笑)もう完全に話し聞いてなかったんですよね、、、「あっ、はいはい、またなんかあったら電話ください」って(笑)そしたら3ヶ月かなんかで、「決まりました」と(笑)じゃあ一回話しましょうってなって、今の話しを聞いてたんです。僕はその時、思ったのはテレビの力って凄いんだなって。結局フリースタイルダンジョンで盛り上がってるけど、きっとHIPHOPの表層の部分しか知らないんだなと。本質的な部分を何もわかってないからこそ、やろうと言ってくれたんだと。コレは難しいぞと。結局HIPHOPって元々社会的な地位も無く、楽器が無い黒人達がヒューマンビートボックスや、レコード繋ぎ合わせて路上からやり始めたのがある意味HIPHOPなわけで、ゼロからでも俺らみたいなコミュニティからでもスターは生まれるぜみたいな、凄いそういう部分で尖ってるわけですよね。しかもフリースタイルなんて即興なので、曲をやらせるわけではないので、じゃあキャスティングどうしましょうって。ここで一番ポイントなったのがちゃんとHIPHOPをわかる人間が、内部だけじゃなくて、外部にも居ないとこれはまとまらないと。多分僕が一人でラッパーさん全員に連絡しても、半分以上が、事務所にも契約してない方で個人の方なので、、、これは逃げられるなと(笑)そこでキーパーソンとして入って頂いたのは、日本のヒップホップのパイオニアであり、黎明期を支えた、ジャパニーズヒップホップ界のレジェンドであり、ヘッズであれば、知らない人はいないUZIさんと株式会社グリーンバックの近藤雄司さん。ゆうじくんはジャパニーズヒップホップの伝説的グループNITRO MICROPHONE UNDERGROUND(ニトロマイクロフォンアンダーグラウンド)ののマネージメントや、今もB.D. The Brobusのマネージメントをしていて。そんなバックグラウウドなんで当然ほとんどのMCと顔見知りで、まぁ、ヒップホップ用語で言うとこのOGですね。彼と、UZIさんと僕と三人でやりましょうと。UZIさんにはキャリア的にもプロップス的にもこのイベントの象徴として統括に入って頂いて、話に話し合って選び抜かせて頂きました。正直UZIくんとゆうじくんのお力が無ければ絶対に実現できないイベントでした。特にUZIくんはキャスティングだけではなく、このイベントの顔として、総合司会も2日に渡って行って頂き、いろんなトラブルが発生した時も、ガチっと現場で修正してくれて、2日目最後のUZIくんのショーケースではこのイベントをしっかりとマイクで総括して頂きました。あれは、本当に泣けてきました。UZIくん、2日で3キロ痩せたって言ってましたからね。笑

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T.B)結構キャスティングとアーティストをまとめるのも大変だったんですね(笑)

吉田)そうですね、、、実は準備期間も2週間3週間くらいで時間が全然なかったんですよ(笑)

T.B)そんなにクイックだったんですね(笑)

肥後)最初UZIさんに「スケジュール取れないです。このメンツ。」言われてたんです。ただ、結果的には土日の2DAYSっていうのと、お昼のイベントっていうのが大きくて、ギリギリですけど皆さんのスケジュールを取れましたね。一番困ったのは、内容です。たとえば、全員にショーケース20分与えても、それと政治、選挙ってどう繋げるの?って。その為にわざわざ、新曲を書かせるわけにもいけないですし(笑)最初、バトルっていう話しも出てたんですけど、「バトル?殴り合いさせるんですか?(笑)東京の?アルタ前で?それこそ何が出るかわからないですよ?」と(笑)その時に出たのが、サイファーで。あれって、クラブの外とかで自然発生的に円になってやるものですよね。それを擬似的にステージの上でやるっていうのはどうなのか?キーワードを擬似投票という形で、全員に投票してもらってそれをくじ引き形式で選んでやったらどうか。と吉田さんから提案が挙がって。選ばれたキーワードを元に同じトラックで、夢のラッパーが5人集まって、マイクリレーをしてもらう。一つの議題、選挙っていうテーマでディベートしていくみたいな。ただ、イベントを実際に始めないと何が起こるかわからないので不安もありました。どんなキーワードが出てくるかもわからないから投票箱がパンドラの箱みたいなんですね(笑)でも、実際にやってみたらディベートラップじゃないですけど、一番最初のサイファーでカッコ良く決まって、あれで僕たちは上手くいくんじゃないかって思いましたね。

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Photographer:Yuya Mochizuki

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